新刊ご案内(農学)
木質の化学
本書は6章からなっており、第1章「木材の組成と生成」において木材の主要成分、副成分の化学と生成について概観したのち、第2章から第5章においてそれぞれの成分の化学についての先端的な知見を含めて詳述している。まず、第2章「セルロースの化学」では、セルロースの化学構造、結晶構造、分離と精製、各種誘導体化、化学的および物理的分解について紹介している。第3章「ヘミセルロースの化学」では、主要なヘミセルロースの化学構造、それらの分離と精製、化学的および物理的分解、ならびに注目される生理活性について述べている。第4章「リグニンの化学」では、リグニンの分布、確認法、定量法、詳細な化学構造と反応性、物理的性質、さらに今後の進展が期待される利用について紹介している。また、第5章「抽出成分の化学」においては、各種の抽出成分の分布と特性および生理活性について取りまとめている。最後に第6章「木材の生分解」においては、木質資源の特徴である腐朽に関する最新の知見を、関係する微生物の特徴、生分解の機構と生成物の特徴などについて詳述している。
本書が木質の化学を専門とする研究者や大学院生はもとより、これらの分野に関心を持つ学部生にとってもきわめて有用であると確信している。(序文より一部抜粋)。
目 次:第1章 木材の組成と生成(木材の組成/セルロースの生合成/ペクチン、ヘミセルロースの生合成/リグニンの生合成/抽出成分の生合成/樹液の化学)、第2章 セルロースの化学(セルロースの化学構造/セルロースの結晶・微細構造/セルロースの分離と精製/セルロースの高分子的性質/セルロースの誘導体/セルロースの分解)、第3章 ヘミセルロースの化学(ヘミセルロースの化学構造/ヘミセルロースの分布と分離および精製/ヘミセルロースの反応と利用/ヘミセルロース、ペクチンの生理活性)、第4章 リグニンの化学(リグニンの分布と確認法/リグニンの定量法/リグニンの存在形態と単離法/リグニンの化学構造/リグニンの分解反応/リグニンの反応性/リグニンの物理的性質/リグニンの利用)、第5章 抽出成分の化学(テルペノイドの分布と特性/リグナンの分布と特性/フラボノイドとスチルベノイドの分布と特性/タンニンの分布と特性)、第6章 木材の生分解(木材腐朽菌/セルロースの生分解/ヘミセルロースの生分解/リグニンの生分解)
日本木材学会 編<2010年4月刊>
A5判352頁 定価4,200円(税込み) 送料400円 ISBN978-4-8300-4118-1
植物栄養学 第2版
17世紀から18世紀にかけて、物質が原子から構成されているという概念が確立されると、植物の成長を促進する因子として無機物がやっと注目されるようになった。わずか160年前のことである。この知識によって空中からアンモニアを、リン鉱石からリン酸肥料を製造する肥料工業が興り、食料の増産が人口の増加を支えた(第1章)。
植物は光合成を行って太陽光エネルギーを捕捉し、水から水素イオンと電子を得る。水素イオンと電子はNADPHとATPに姿をかえて、葉での二酸化炭素からの糖の合成、根からの水分と養分の吸収と転流、そして無機元素の同化反応に利用され植物は成長する(第2章)。
このとき、根から吸収される14の無機元素(窒素、リン、カリウム、イオウ、カルシウム、マグネシウム、鉄、マンガン、銅、亜鉛、モリブデン、ホウ素、塩素、ニッケル)の1つでも欠けると植物は成長できない。それぞれの元素について、土壌中での存在形態と代謝、植物への吸収メカニズム、植物細胞での生理作用について、最新の知見を詳述した(第3章)。さらに2つの有用元素、ケイ素とナトリウムについても、それらの機能と吸収のメカニズムを詳しく説明した。
次に、酸性土壌、塩類集積土壌、重金属集積土壌といった特殊な土壌で作物が栽培されたときの傷害メカニズムと、これらの土壌ストレスに耐性を持つ植物の耐性機構を述べた(第4章)。今後、植物栄養学が世界の耕地で研究を展開するためには必要な知識である。
最後の第5章では、地力−土壌の作物を養う力−と肥料について、稲作におけるわが国の研究成果を中心に述べた。さらに、市販されている肥料と有機質肥料について製造法と特徴を述べた。有機性廃棄物に由来する土壌改良資材については品質評価法や問題点を総括した。
それぞれの章には主題に関連する話題をコラムとしてあげた。(序文より一部抜粋)。
目 次:第1章 知識はどうやって形作られてきたか、第2章 植物栄養学を理解するために(土壌、窒素とリンの循環/光合成と呼吸/植物栄養素の輸送/水の吸収と輸送/植物ホルモン)、第3章 植物の必須元素、栄養元素(窒素とイオウ/リン/カリウムとナトリウム/カルシウムとマグネシウム/鉄、銅、マンガン、モリブデン/亜鉛、ホウ素、ニッケル、塩素/ケイ素)、第4章 不良土壌に対する植物の応答(酸性土壌/塩類集積土壌/重金属汚染土壌)、第5章 肥料(地力と堆肥/施肥法/市販肥料/有機農業)、付表
間藤 徹・馬 建鋒・藤原 徹 編<2010年4月刊>
オールカラー・A5判304頁 定価5,040円(税込み) 送料400円 ISBN978-4-8300-4119-8
植物病理学
本書は、植物病理学の専門書として、基礎導入編から最先端の専門知識まで多岐にわたる内容を効率よく学ぶことができるように企画編集されている。学部学生や院生はもちろん、植物病害の専門家や学際領域の研究者の方々にも十分有用であると思う。
本書の特色は、
@楽しく学習でき、理解しやすいように病徴写真、図表などはすべてカラーとした。
A従前の教科書には記載がなかった、寄生性高等植物による病害、ポストハーベスト病、樹木病および熱帯植物の病害などを加えた。
B最近進展の著しいゲノム情報に基づく生命現象の解析が植物病理学の分野においても急展開しており、病原体や宿主植物の全ゲノム解読がなされ、遺伝子の言語で発病機構の解明が進んでいる。この新研究領域について、「ゲノム解析と植物病理学の新展開」として1章を設け解説した。また「遺伝子組換え法による抵抗性育種」についても解説した。
C植物と病原体の相互応答の仕組みに関する植物感染生理・生化学の最新の研究成果をできる限り詳しく解説した。
D総合科学である植物病理学は多岐にわたる専門分野を含んでいるので、各分野の基礎から最先端までの詳細な内容を的確にまとめるために、それぞれにおいて第一線で活躍されている専門家にご執筆いただいた。
ことなどである(序文より一部抜粋)。
目 次:第1章 植物病理学とは(植物の病気/植物病理学の役割/植物病理学の発達史/総合科学である植物病理学−基礎と応用−)、第2章 病原体の同定と維持管理法(概観解説/病原体の同定法/病原体の無菌培養管理法)、第3章 病原体の種類と分類(概観解説/菌類/細菌/ファイトプラズマ/ウイルス/ウイロイド/線虫/寄生性高等植物)、第4章 病害の発生(概観解説/病害の発生生態/圃場における発生/ポストハーベスト病害/樹木病害/熱帯植物の病害)、第5章 植物と病原体の相互関係(概観解説/宿主-寄生者特異性の遺伝的背景/相互認識遺伝子とその産物)、第6章 病原体の病原性発現機構(概観解説/感染構造体の形成と宿主細胞反応/病原性発現に関わる物質生産/糸状菌の病原性遺伝子の発現機構(宿主特異的毒素生合成遺伝子)/細菌の病原性発現機構/ウイルスの病原性発現機構)、第7章 植物の抵抗性発現機構(概観解説/抵抗性発現のシグナル伝達/抵抗性発現に関わる抗菌性物質の生成/抵抗性発現に関わる遺伝子制御/非宿主抵抗性に関与する遺伝子解析)、第8章 ゲノム解析と植物病理学の新展開(概観解説/糸状菌の染色体/糸状菌のゲノム情報とその解析/細菌のゲノム情報とその解析/ファイトプラズマの全ゲノム情報/ウイルスの全ゲノム情報)、第9章 病害の診断法(概観解説/診断のプロセス/診断法)、第10章 病害の防除法(概観解説/植物検疫/病害抵抗性育種/耕種的防除法/生物的防除法/物理的防除法/化学的防除法/発生予察)、第11章 食の安全と環境保全を支える植物病理学(概観解説)
眞山滋志・難波成任 編<2010年2月刊>
オールカラー・A5判344頁 定価5,460円(税込み) 送料400円 ISBN978-4-8300-4117-4
生物環境気象学
生物環境気象学は、地球環境問題など現在のさまざまな課題に対処するため、今までの農業気象学の内容を拡大、発展させたものである。
世界の人口は過去半世紀で急速に増加し、このため現在、人間活動に伴う環境変化が人間を含めた生物生存の基盤を脅かす地球環境問題として大きな課題になっている。環境問題は人口問題だけでなく食料問題、エネルギー問題など現在におけるエネルギー文明の構造的課題を内包しているため、その解決は容易ではない。このような歴史的状況において、農業は食料生産に携わる主要な人間活動として、環境問題解決に対する大きな責任と役割を担っている。すなわち、今までは人口増加に対処するため生産性重視の農業が行われてきたが、これからは環境との関係を重視した持続的生物生産、つまり環境保全型の農業が必要となる。そのためには、生物生産と環境の関係を今まで以上に深く理解することが必要であり、またその理解に基づいた新しい農業技術の開発が必要となる。
本書はこのような観点にたって従来の農業気象学を発展させて、新しく『生物環境気象学』として編集したものである。したがって本書は、気象学の基礎、エネルギーの流れと物質循環、地球環境問題など、従来の農業気象学では詳しく取りあげなかった事項も広く取り入れた内容になっている。(序文より一部抜粋)
目 次:第1章 生物環境気象学とは、第2章 地球の熱収支と大気の役割(太陽放射と地球の熱収支/大気の役割と地球の水)、第3章 地表面における熱と物質の輸送(風と物質輸送/地表面の熱収支と局地気象/降水の配分と蒸発散)、第4章 生物生産に及ぼす気象の影響(地球における生物生産/光合成による生物生産/植物の蒸散作用と水/気候と生物生産/環境ストレスと農業気象災害/気象観測とリモートセンシング)、第5章 生物生産および貯蔵における環境調節(作物栽培における環境調節/畜産施設の環境調節/農産物の貯蔵と環境調節)、第6章 地球環境問題と食料生産(異常気象と気候変動/これからの食料生産)
浦野慎一・山川修治・文字信貴・小林哲夫・大槻恭一・平野高司・町村 尚・上村賢治・鈴木晴雄・谷 宏・蔵田憲次・干場信司・蓑輪雅好(共著)<2009年9月刊>
A5判296頁 定価4,200円(税込み) 送料400円 ISBN978-4-8300-4116-7
園 芸 学
本書の特徴は、「園芸学」という題に集約されている。従来、本書に類する出版物としては、「園芸学概論」、「園芸学入門」、「園芸通論」のような題で著された優れた本が発行されていて、園芸学の教育に大きく貢献してきたといえる。これらの本では、多くの場合、園芸作物の植物学的特性と生産に関わる技術的課題を中心に著されていることが多いように思われる。しかしながら、今日における園芸の役割は、人文科学的、社会科学的分野も年々新たに加わって、園芸作物を通して、多様な面から、多様な価値観でもって取り扱われるようになってきているように見受けられる。園芸におけるこのような多様性の拡大を教育課程においても1冊でカバーすることの必要性が高まっているものと考えられたので、本書では、類書であまり取り上げられることのなかったと思われる項目も加えて、「園芸学」として著すこととした。類書の多くは、「野菜園芸学」、「果樹園芸学」、「観賞園芸学」を学ぶ前の基礎科目という位置付けで著されていたとみられるが、本書では、園芸作物の生産、流通、利用、あるいは教育、研究、行政に関わる職業に就く予定の学生だけでなく、生活園芸学、都市園芸学、園芸文化論、園芸教育論、園芸哲学という、人文科学的、社会科学的な分野に関わる人々にも、独立した科目として受け入れられるように編集したものである。(序文より一部抜粋)
目 次:第1章 園芸と園芸学(定義と特徴/日本における園芸の歴史/世界に広がる日本の園芸/国土面積と耕地面積/園芸作物の生産と消費)、第2章 園芸作物の種類と分類(植物分類の歴史/形態分類とAPG分類/園芸的分類/分類群の階級と命名法/主な科の一般的性状)、第3章 園芸作物の形態(栄養器官の形態/生殖器官の形態)、第4章 園芸作物の生理(発芽/休眠/光合成/花芽形成と生殖/種子の形成と果実の発育/老化と細胞死/水と無機栄養/植物ホルモン)、第5章 園芸作物の品種の改良方法と種苗の繁殖方法(品種改良の方法/種苗の繁殖方法)、第6章 園芸作物の発育に伴う生理生態的特性と栽培管理(野菜/落葉果樹/常緑果樹/花卉)、第7章 園芸作物の生産施設と流通施設(温室とハウスの構造/環境制御装置の種類と特徴/養液栽培の仕組みと種類/セル成型苗とクローン苗の生産/選別機械と鮮度保持施設)、第8章 園芸作物の鮮度保持方法(野菜の鮮度保持/果実の鮮度保持/花卉の鮮度保持)、第9章 園芸作物に含まれる栄養成分と機能性成分(野菜に含まれる栄養成分と機能性成分/果実に含まれる栄養成分と機能性成分/花卉に含まれる機能性成分/栄養成分と機能性成分が生体生理機能に及ぼす働き)、第10章 園芸の新しい展開領域(園芸と環境/園芸福祉と園芸療法/園芸と教育/園芸とコミュニティ/園芸と暮らし)、第11章 環境にやさしい園芸生産(園芸作物の環境保全機能/園芸作物の有機栽培/ファイトレメディエーション/耐塩性と耐干性の強い園芸作物の利用/園芸作物の栽培残渣と食品廃棄物のリサイクル/生物農薬の利用/遺伝子組換えされた園芸作物の安全性/室内園芸)
金浜耕基 編<2009年4月刊>
オールカラー・A5判296頁 定価5,040円(税込み) 送料400円 ISBN978-4-8300-4115-0

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